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多胎家庭が本当に必要とする支援とは何なのかを考えるために、「ふたごハウス」に訪れる尼崎市内在住の双子のママ4人にご協力いただいて、座談会&個別インタビューを行いました。
子どもとの日々は「楽しい!」「嬉しい!」もあるけれど、そればかりではないのが現実。双子育児の日々で、どんな大変さや困難さがあるのかについて、ざっくばらんにお話しいただきました。
その内容をさらにうかがうべく、個別にインタビューした内容を紹介します。
2人目は鈴木(仮名)さん、1歳0か月の双子のママです。
子どもたちが昼ごはん&昼寝を済ませた後の「15時からの行き場所がない問題」やふたごハウスでどんなふうに過ごしているのかについて、お話をうかがいました。
※座談会は2023年11月、個別インタビューは2024年1月に実施。座談会&個別インタビューの内容を再編集して記事にしています。
- 座談会で15時からの行き場所がない問題についてお話しくださいました。
鈴木さん:つどいの広場の場合、午前中に連れて行って、換気・消毒の関係で昼にいったん外に出なければならないので、どこかでお昼ごはんを食べさせて、もう1回連れて行くことができたらいいなと思うんですけど。昼寝させて起きたら15時過ぎになっていることがほとんどで。つどいの広場は15時、16時までしか開いていないから、もう行くところがないんです。
- 今は主に、どこで、どんなふうに過ごしているんですか?
鈴木さん:最近はショッピングモールに行くことが多いです。幸い、うちの子たちはベビーカーでウロウロしているだけでも楽しそうにしてくれるので、昼前に家を出て、ショッピングモール内をぶらぶら歩いたり、キッズスペースでハイハイさせたり。
お昼ごはんを食べさせて、お昼寝もさせて、その間に私もちょっと休憩をして、起きたらもう1回、キッズスペースで遊ばせるみたいな。そんな感じで過ごすことが多いですね。
- 「15時からの行き場所がない」というところで、どんなことに困っていますか?
鈴木さん:出かける前から準備などが大変で、さらに家がエレベーターなしの3階にありますから、2人の子どもを連れてベビーカーを出し入れするだけでも一苦労で。一度出かけたら、できる限り、長い時間を過ごしたい。せめて、子どもたちが満足できるまでは…と思ってしまうんですよね。
ショッピングモールのキッズスペースの場合、見守りの方がいないので、恐いんです。たとえば、2人がいっぺんにダァーッて、別々のほうに向かって行っちゃうことがあって、自分1人では2人を同時に追いかけられないですし、1人を連れ戻しても、また1人が動いての繰り返し。
その点、つどいの広場ならスタッフさんという大人の目があるから安心なんです。
- 双子の場合は2人がそれぞれ別々のほうに行ってしまうから、大人の目がほしいですよね。15時以降の居場所として「こんな場所があればいいのに」というイメージはありますか?
鈴木さん:つどいの広場のオープン時間が17時くらいまでだったらいいのになと思っています。
- いくつか行かれたことのあるつどいの広場で、「ここのこんなところがよかった!」というところを教えてください。
鈴木さん:いいなと思ったつどいの広場は、ベビーカーでも行きやすい1階にあって、おもちゃの種類も豊富で、見守ってくださるスタッフさんも4人くらいいるところです。イベントもよく開催されていて、季節に合わせた工作をしたり、一緒に歌ったり遊んだり。以前、誕生日の写真を撮ってもらうイベントに参加したことがあります。
イベントがあるとその内容を見て、行きたいなという気持ちになるので、出かける動機づけにもなっていいなと思いました。そういった情報をその場所に行かないとわからないのではなく、Instagramで発信してくれているので得やすいのもありがたいです。
ただ、そこは預かり保育をしていて、そちらにスタッフさんの手がとられるので受け入れ制限をすることがあります。
Instagramでそのお知らせを流してくれるのはありがたいんですけど、「今日は預かりがあるので受け入れを制限します」という内容だけなので、いつから制限が始まるのかがわからず。行ったのに入れなかったことがあったんです。
でも、受け入れ人数を把握するために、つどいの広場の利用自体を事前予約制とされたら、その日の子どもたちの状況によって出かけられるかどうかわからないので、それはそれで困るので仕方がないかなとも思っています。
- ふたごハウスは基本10時から19時まで開いています。どんなスケジュールで過ごしていますか?
鈴木さん:最近は、朝ごはんを食べた後に朝寝をさせて起きたら11時くらい。それから徒歩か車で向かって、11時30分くらいに到着し、12時を過ぎたらお昼ごはんを食べさせて遊ばせて・・・としていたら、眠くなってぐずぐずしてくるので、15時頃に帰るか、抱っこでお昼寝をさせるかという感じですね。
お昼寝ができれば16時頃までいます。ここではお昼ごはんも食べさせられますし、昼寝もさせていいよという感じなので、助かります。
- つどいの広場とふたごハウス、それぞれ目的が異なる居場所です。どんなところで違いを感じますか?
鈴木さん:ふたごハウスでは、ごはんを食べさせられるほか、人手が必要なので手伝ってほしい、昼寝をさせたいから子どもを寝かせる場所を貸してほしい、オムツを替えたい、ミルクを飲ませたいなど、頼み事を言いやすいですね。
一方で、つどいの広場では、子どものことは自分でやるのが基本。1人のオムツを替えるので、その間ちょっとだけ見ておいてくださいということが、なかなかできないので。1人のオムツを替えている時に、もう1人の子が動き回るのを、ずっと気にしながらとなります。
ふたごハウスでは、スタッフさんを含めて集うママみんなが見てくれているし、抱っこもしてくれる。何より「手伝おうか」と声をかけてくれるので、それが大きな違いだと思います。お互いさま、「みんな、大変やから助け合おう」という思いや姿勢があるんですよね。
- つどいの広場では、双子のママパパと出会う機会はありますか?
鈴木さん:ないですね。ふたごハウスのほかでは、同じNPO法人が母体の尼崎ふたごLINE主催のふたご会でも会う機会はありますが、そこで出会う方々はふたごハウスでも会うことが多いので。
私は妊娠中からふたご会の存在を知っていて、一度見に行かせてもらったことがあります。抱っこ紐のワークショップを行うということで、興味のあるテーマでもあり、ちょうどいいなって。
- 妊娠中からコミュニティとつながっていたんですね。
鈴木さん:母子手帳を受け取った時、市主催のふたごのための育児教室を教えてもらって参加したら、尼崎ふたごLINEを教えてもらって登録しました。そこからふたご会のことも知って、妊娠中に行ってみようって。
参加してみたら、ここに来れば、双子のママに出会えるから、子どもが生まれたら連れていこう、ほかの双子ちゃんと交流したいなぁと、出産後が楽しみになりました。
さらに尼崎ふたごLINEでは情報やお知らせのほかに、集まりの時の写真もアップしてくれていたので、自分たちも参加できる日がますます楽しみになったんです。
ふたごハウスでは、子どもの月齢がほぼ同じ双子のママと出会って、子育ての悩みを話したり、「ここが出かけやすかったよ」といった情報を交換したり。今は出会った双子のママとここで待ち合わせして会っています。
- 子どもの月齢が近い方との出会い、いいですね。
鈴木さん:そのママとはふたごのための育児教室で会ったことがありました。同じように尼崎ふたごLINEの案内を聞いていたので、いつか会えるかなと思っていたんですけど。ふたごハウスでお会いできたんで。
ここに来れば、同じくらいの月齢の子とか、月齢は違っても同級生の子とかがたくさんいるので、そういう子たちと会えるのは楽しいですね。
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双子ママ座談会「双子の子育て、ざっくばらんにお話しください!」
vol.1 通院&健診・移動編
vol.2 沐浴・授乳・保育園見学・子育て情報編
vol.3 「つどいの広場」と「ふたごハウス」編
vol.4 助かる支援&サービス編
双子ママ座談会 番外編「双子の子育て、詳しく教えてください!」
vol.1 吉田(仮名)さんの場合
(0歳7カ月の双子のママ)
vol.2 鈴木(仮名)さんの場合
(1歳0か月の双子のママ)
vol.3 田中(仮名)さんの場合
(1歳4か月の双子のママ)
vol.4 佐藤(仮名)さんの場合
(4歳5か月の双子のママ)
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