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双子ママ座談会「双子の子育て、ざっくばらんにお話しください!」 vol.2

多胎家庭が本当に必要とする支援とは何なのかを考えるために、「ふたごハウス」に訪れる尼崎市内在住の双子のママ4人にご協力いただいて、座談会&個別インタビューを行いました。

子どもとの日々は「楽しい!」「嬉しい!」もあるけれど、そればかりではないのが現実。双子育児の日々で、どんな大変さや困難さがあるのかについて、ざっくばらんにお話しいただきました。

多胎家庭のママパパにとっては「そうそう!」「あるある!」と共感したり、多胎プレママパパにとっては出産後をイメージしたり、多胎育児未経験者にとっては「1人子育てとはこんなに違うの!」と改めて気づいたり考えたり。経験してみないとわからない、多胎家庭のママのそれぞれの状況が、ほんの一部見えてきます。

第2回目は「沐浴・授乳・子育て情報・保育園見学」編です。

<参加者>
吉田(仮名)さん 0歳7カ月の双子のママ
鈴木(仮名)さん 1歳0カ月の双子のママ
田中(仮名)さん 1歳4カ月の双子のママ
佐藤(仮名)さん 4歳5カ月の双子のママ

※座談会は2023年11月、個別インタビューは2024年1月に実施。座談会&個別インタビューの内容を再編集して記事にしています。

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1日の中で最も負担が大きい「沐浴」

- 日々の子育ての時間で最も負担が大きい時間はどの時間ですか?

鈴木さん:沐浴していた時は沐浴ですね。自分1人で2人を入れないといけないんで。私の場合は1人ずつ、沐浴させるようにしていました。1人が寝て、もう1人が起きているタイミングを狙っていたので、その時期は外に出かけられなかったですね。1日のうちで、いつでもいいから、そのタイミングが来た時は沐浴させようと思っていましたから。

吉田さん:私も沐浴の時間が一番しんどいですね。うちの子たちは肌が荒れやすく、お風呂上がりに病院でもらった薬を塗らないといけなくて。しかも、部位ごとに何種類も塗り薬があるので。

- どんな段取りで沐浴させていますか? 

吉田さん:まず、お風呂を洗うところから。その間は、子どもたちをベビーサークルに入れて、あとは放置状態になるんですけど、その時間で子どもたちがギャン泣きになることが多いんですよ。

泣くと機嫌が悪くなって、お風呂に入ってからもずっと抱っこをしなければならなかったり、私の足に絡まってこようとするので危なかったりして大変になるので、動画を見せて気分転換をさせることも。時には、沐浴を諦めて、ミルクを飲んだら寝てくれるかなと切り換えることもありますね。

臨機応変に判断しながら、着替えと塗り薬、そしてミルク…風呂上がりにミルクがほどよい温度になるから、すぐに飲ませられるように用意して。準備ができたら、先に自分が服を脱いで、次に2人を脱衣所に連れてきて服を脱がせて、お風呂場に入って。

2人を洗って、子どもたちの機嫌が悪かったら自分の身体を洗うことは諦め、機嫌が良かったらダッシュで身体だけは洗って・・・頭髪は夫やヘルパーさんが見てくれる時にしか無理と最初から諦めています。

お風呂から上がったら、自分は裸のまま、2人の身体を拭いて、塗り薬をつけて、オムツや服を着せて、ミルクを飲ませて、沐浴用のバスやシートを洗ったり干したりして、ようやく自分が服を着られるという。その後に、ダッシュで洗濯を回すか、洗濯機に入れるかまでは頑張ってするようにしています。

- 凄まじい集中力とエネルギーを必要としますね。

吉田さん:同時にやらなあかんことがたくさんありすぎて。10分でもいいから、自分の分身が出てこないかなと思います。

- 生まれたばかりの時のほうが大変でしたか?

吉田さん:いや、まだましだったかもしれません。ハイハイなど自分で動かないから危険は今よりは少ないんで。今、0歳7カ月なんですけど、自分で動くようになっていて、恐いなぁと思うことが増えました。

いつもは私、眼鏡をつけてお風呂に入って、洗顔する時だけ外しているんですけど。その一瞬も、子どもたちが転ばないかとひやひやするので、ダッシュで洗います。

あと、沐浴バスに入れると脱出しようとして頭から落ちかけたり、湯船では首の浮き輪をつけていても立とうとして、後ろに一回転しそうになったり。湯を浴槽に浅く入れても滑って、水面に顔がついたことがあったので…今も子どものお風呂の入れ方は模索中なんです。

鈴木さん:動き始めてからも大変ですよね。うちは、基本的に夫がいる時に協力してお風呂に入れているんですけど。夫がいない日は自分1人で。子どもたちが歩けるようになりましたが、お風呂まで歩いてきてくれるわけではなく、それぞれが興味のあるほうに向かって行ってしまいますから。

吉田さん:ヘルパーさんに手伝ってもらったり、ふたごハウスで沐浴できたりするのは、めっちゃ楽ですよね。

― ふたごハウスで沐浴する時はどんな段取りでできていますか?

吉田さん:ふたごハウスではバスタオルも使わせてくれるんですよ。だから、荷物も着替えや塗り薬だけでよくて。最初にお湯もためてくれているから、私のほうでは着替えを出して、服を脱がせて。あとは子どもたちを入れるだけ。

ミルクの準備もしてもらったことがあります。家に帰った後は、沐浴せずに済み、あとは洗濯だけでいいから気が楽で。しかも、洗濯物のバスタオルもない!

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2人授乳の難しさ。ママは睡眠を諦めるしかない?

- これまでを振り返って、1番しんどかったなぁと思う時期はいつですか?

佐藤さん:子どもたちが小さい時、夜に寝られなかったことでしょうか。

吉田さん:何歳くらいになったら、寝られるようになるんですか?

佐藤さん:断乳してくらいからかな。1歳を過ぎて、だいぶ寝てくれるようになりましたよね。夜に寝てくれるようになったら、朝は5時起きとか・・・子どもたちが1歳の時に復職したので、その当時は朝5時くらいから子どもたちの相手をして、それから仕事だったので、それはそれで大変でしたね。

鈴木さん:断乳のお話が出ましたが、双子の場合は授乳のタイミングが難しいんですね。自分の睡眠時間を確保するために、同時授乳で頑張っていたんですけど。結局、あとで2人ともにミルクを飲ませる必要があったから、母乳は出たけれど、やめざるを得ないみたいな感じで、2カ月くらいでやめました。

田中さん:私も一緒です。1カ月くらいでやめました。もう、「強制断乳」ですよね。断乳するのも、めちゃめちゃ大変ですよね。

鈴木さん:自分が寝ることを諦めれば、母乳でもできたと思います。佐藤さんは「寝られなかった」と言っていましたもんね。

佐藤さん:出産した病院が「母乳で頑張れ」というところだったので。

鈴木さん:難しくなかったですか? 同時授乳するために1人を抱っこしながら、もう1人も授乳できるようにクッションをセッティングして・・・でも、あそこで寝ている子を、ここまでどうやって連れて来ればいいのって。ソファに寝かせてなど、いろいろ試してみましたが、毎回やるのは無理だなと思ったんですよね。まだ、首も座っていない状態で危なかったですし。

吉田さん:私はもう、母乳での子育てをすすめられた時に返す言葉を用意しています。「この子ら、2000gくらいで生まれてNICUに入院したので、最初からミルクだったんです」「口も小さくて、哺乳力も弱くて、母乳は出たんですが、飲んでもらうことが難しかったんです」って。嘘ではないから、これを話したら角が立たへんかなみたいな。

- 母乳での子育てをすすめられた時に返す言葉を考えているということで、以前に何か言われた経験があるからですか?


吉田さん:聞かれたことはあります。年配の方ばかりではなく、1人子育てのママも「双子の場合はどうしてるんやろう?」という興味で聞いてこられる場合もあって。私は中学生の頃から年の離れたきょうだいの子育てを見たり手伝ったり、あとインターネットでもさまざまな体験談を見聞きしてきたので、事前に心構えができていたんだと思います。

市主催のふたごのための育児教室でも「双子を母乳だけで育てるのは神話だと思ってくれていいです」と言ってくれていたし、家族も理解があって「しんどかったら、ミルクにしといたらええねん」「子どもが生きてるんやから大丈夫」と言ってくれていたから。そばに理解者がいたから、誰かに何か言われても聞き流せたのかなと思います。

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「知っていると助かる」情報にたどり着くのが難しい

- 佐藤さんは土地勘がない場所で子育てを始められました。どんなところが大変でしたか?

佐藤さん:妊娠中に、夫の転職でこちらに引っ越してきました。夫の姉が近隣市に暮らしているものの、そのほかのつながりが特になかったので、保健センターはどこにあるんだろう、子どもの遊び場的なところはどこにあるんだろう、急な困り事が出てきた時はどこに相談しに行ったらいいんだろうって。

実際に、乳腺炎になった時にはどこに行けばいいのかがわからなくて、自力でどうにかするしかなかったんです。あとで市の母乳育児支援のことを知りました。当時、知ることができていたらよかったのになと思いましたね。

田中さん:あまり知られていないですよね。私も乳腺炎になった時、大阪市にある出産した病院まで行きました。あとから、市の母乳育児支援のことを知って利用したら、授乳の仕方まで教えてくれてありがたかったです。その情報にたどり着くまでに時間がかかったんですよね。

吉田さん:子育て情報がまとまっているものがほしいです。

鈴木さん:もっと早く知りたかったということが、結構ありますよね。

- 市には子育てハンドブックみたいなのがありますが、それを見ることはありますか?

吉田さん:あれに載っていたのかな。いつ、もらいましたっけ? いろいろありすぎて・・・

鈴木さん:母子手帳をもらう時、資料をいくつももらうから、埋もれてしまうんですよね。

吉田さん:ちょうど母子手帳を受け取りに行った時、つわりがひどくて、資料を見る余裕もなかったんですよね。産んだ後にはもうどこにいったのかがわからなくなってしまって。予防接種の用紙だけはなくしたらあかんと言われていたから、それだけはわかるところに保管していたんですが。

- 出産後、情報は主にどこを見ますか?

鈴木さん:市報の子育て情報欄を見ていますね。子どもが生まれてから見るようになりました。イベント情報も掲載されていますから、興味のあるイベントがあれば、行けたらいいなみたいな感じでチェックしています。あとはInstagramです。つどいの広場や、多胎家庭のママパパのためのコミュニティ「尼崎ふたごLINE」をフォローさせてもらって、そこから情報を得ています。

吉田さん:尼崎ふたごLINEです。そこで産前産後ヘルパーのことも知りました。そういった情報をいろいろ共有してくれるので助かります。そのほかは市報も見ます。私も子どもができてから初めて読むようになりました。

佐藤さん:子どもが小さい頃は外に出かける目的がほしかったから。近くで何かいいイベントがあるといいなと思いながらも、探すのが大変だったことを思い出します。そもそもスマホを見る時間もなかったので、探す余裕がなかったんですよね。土地勘がないと余計に、そのあたりが難しく感じました。

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保育園見学時も、大人の手が“もう1人”必要な場面

- 佐藤さんはお子さんが1歳の時に復職されたとのこと。復職時に大変だったことはありますか?

佐藤さん:土地勘もない場所での保育園探しは大変でした。情報がまったくないですから。それに、見学に行くにも、双子を連れてなので。

吉田さん:保育園の見学、めっちゃ大変ですよね。

佐藤さん:1人では行けなくて。最初は遠方から母に来てもらって、1人ずつ抱っこして見学しました。その後からは自分1人で行くものの、2人を抱っことおんぶしての見学は、話を聞く余裕もなかったですね。

吉田さん:メモとか、とれないですもんね。せっかく、資料を渡してもらっても受け取れないし…

佐藤さん:保育園は実際に見学してみないと、わからないことが多いですから。行かないわけにもいかず。

吉田さん:この子たちがおんぶもできない月齢の時に行ったことがあるんですけど。園内はベビーカーを押しながら見学できないじゃないですか。しかも、保育園見学は平日なので、夫は仕事ですし、実家は遠いから頼れない。それこそ、産前産後ヘルパーを頼んで、大人2人で1人ずつ抱っこして行きました。何をするにも、大人の手が必要なんですよね。

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双子ママ座談会「双子の子育て、ざっくばらんにお話しください!」
 vol.1 通院&健診・移動編
 vol.2 沐浴・授乳・保育園見学・子育て情報編
 vol.3 「つどいの広場」と「ふたごハウス」編
 vol.4 助かる支援&サービス編

双子ママ座談会 番外編「双子の子育て、詳しく教えてください!」
 vol.1 吉田(仮名)さんの場合
    (0歳7カ月の双子のママ)
 vol.2 鈴木(仮名)さんの場合
    (1歳0か月の双子のママ)
 vol.3 田中(仮名)さんの場合
    (1歳4か月の双子のママ)
 vol.4 佐藤(仮名)さんの場合
    (4歳5か月の双子のママ)

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