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双子ママ座談会「双子の子育て、ざっくばらんにお話しください!」 vol.3

多胎家庭が本当に必要とする支援とは何なのかを考えるために、「ふたごハウス」に訪れる尼崎市内在住の双子のママ4人にご協力いただいて、座談会&個別インタビューを行いました。子どもとの日々は「楽しい!」「嬉しい!」もあるけれど、そればかりではないのが現実。双子育児の日々で、どんな大変さや困難さがあるのかについて、ざっくばらんにお話しいただきました。

多胎家庭のママパパにとっては「そうそう!」「あるある!」と共感したり、多胎プレママパパにとっては出産後をイメージしたり、多胎育児未経験者にとっては「1人子育てとはこんなに違うの!」と改めて気づいたり考えたり。経験してみないとわからない、多胎家庭のママのそれぞれの状況が、ほんの一部見えてきます。

第3回目は「『つどいの広場』と『ふたごハウス』編」です。

<参加者>
吉田(仮名)さん 0歳7カ月の双子のママ
鈴木(仮名)さん 1歳0カ月の双子のママ
田中(仮名)さん 1歳4カ月の双子のママ
佐藤(仮名)さん 4歳5カ月の双子のママ

※座談会は2023年11月、個別インタビューは2024年1月に実施。座談会&個別インタビューの内容を再編集して記事にしています。

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準備の大変さ。外出したら長時間、過ごしたい!

― ふたごハウスを知ったきっかけは何ですか?

田中さん:市報で見たのかな。それで、行ってみようと思いました。

鈴木さん:私は市主催のふたごのための育児教室で教えてもらって、尼崎ふたごLINEに登録して。そこで共有されてきた情報で知りました。オープン時から来ています。

吉田さん:鈴木さんと同じです。

― どうして、ふたごハウスに行ってみようと思われましたか?

鈴木さん:最初は双子のママさんとお話ししたかったからです。今は、ここに来たら、何かと手伝っていただけるから、「ふたごハウスに行けばなんとかなる」みたいな安心感がありますね。近所につどいの広場もあるんですけど、建物がエレベーターなしで、階段で4階まで上がらないといけないんです。

もちろん、スタッフの方が下りて来てくださって、手伝ってはくれるのですが・・・1人を抱っこして、重さ13kgほどもある双子ベビーカーを2階まで階段で持って上がらないといけないので、それが大変で。

田中さん: “つどいの広場で遊ばせるまで”を思うと、行く気があまり起きないんですよね。

― 家から外に出るまで、そこから目的地まで向かう過程での大変さがあるから、出かけることが億劫になってしまうんですね。

鈴木さん:最近は1人用ベビーカーに1人を乗せて、もう1人は抱っこしてと、少しでも身軽にしようとしているんですけど。1人用ベビーカーで行くと、今度はお昼ごはんを食べさせる時に困るんですよね。

つどいの広場の場合、新型コロナウイルス感染症の影響で、お昼に一度、換気と消毒のために外に出なくてはいけなくて。近場でお昼ごはんを食べさせようと思っても、抱っこしているもう1人を座らせるところがないから食べさせられない。

だから、つどいの広場にはあまり行けてないんです。

吉田さん:私の家の近所のつどいの広場は、建物1階にあって行きやすいので、結構行きます。

つどいの広場は子どもを遊ばせる場所なので、自分の子どもは自分で見る感じですが、子どもが動くようになってきたら、2人がそれぞれ違うほうに行っちゃうので、それがちょっと大変で。

家から離れた場所にあるつどいの広場にも行ったことがあるんですけど、そこは1時間ごとに換気と消毒の時間があって、ようやくたどり着けたと思っても全員が部屋を出なければならず。1時間当たりに入室できる組数も決まっているから、再入場できるとも限らず。

そう考えると、ふたごハウスは10時から19時までのオープン時間中、ずっといられるのがすごいなぁと思います。

鈴木さん:助かりますよね。

吉田さん:家を出るまでにすごい労力を使って、家に帰ってからもベビーカーに載せていた荷物を全部おろして、上着を脱がして、ミルクを飲ませて、哺乳瓶を洗って、着替えさせて・・・など2人分するので、すごく大変で。

1回出かけたら、その場にしばらくいたい! 出かけるためにかかる労力に対して、その場にいられる時間が見合うかどうかを考えてしまうんですよね。近所のつどいの広場は徒歩2分くらいだから、まだ行こうと思えるんですけど。

鈴木さん:出かけたら、一日つぶしたいですよね。

田中さん:思い切ってつどいの広場に行った時、泣かれ続けられたことがあって。人見知りしちゃうから、どうしてもその場や人に慣れるまでに時間がかかるんですよね。やっと場や人に慣れてきて泣き止んだと思ったら、消毒と換気のために外に出ないといけない時間になるから、何のために行ったのかがわからなくなるんです。

鈴木さん:つどいの広場はだいたい、15時くらいでしまるから、早いですよね。

佐藤さん:離乳食が始まったら、行くタイミングがなくなりませんか?

鈴木さん:離乳食を食べさせて、それから昼寝したら、起きるのが15時頃。そこから、もう、行く場所がないんです。

佐藤さん:私も家から徒歩5分ほどのところに、つどいの広場があったから、家にいてばかりでしんどい時は行っていました。まだ、コロナ禍前だったから、お昼ごはんも食べさせることができたんですよね。当時は子どもが離乳食前だったから、その場でお昼ごはんを食べさせた経験はないけれど。ほかのママが離乳食を食べさせている様子を間近で見ることができたのはよかったですね。

吉田さん:家の近所のつどいの広場では、離乳食講習や抱っこ紐のレクチャーなど定期的にイベントもやってくれていて。あと、一時保育も1時間1人700円、以降は30分毎に350円でしてくれるので、利用したことがあります。

双子を出産してから車移動ができないと不便とわかったから、ペーパードライバー講習に行きたくて。10時半に預けに行って、11時から講習、すぐに帰ってきて引き取るみたいな感じで利用しました。

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子どもが遊べる場所と、ママにとっての居場所

― つどいの広場とふたごハウス、それぞれ異なる機能を持つ場所です。どんなところに違いを感じますか?

佐藤さん:ふたごハウスは、長い時間滞在できますし、沐浴もできます。また、双子の育児に理解があるから安心ですね。先日、尼崎ふたごLINEでつどいの広場を借りて、ふたご会を10時から90分開催しました。

その時、0歳7カ月の双子のママが「本当は10時に来たかったけれど、11時過ぎになってしまった。あと30分くらいしかいられない」と話していたことが印象に残っています。頑張って家を出ても滞在時間が短くなる、つどいの広場ではお昼にいったん出なければならない…家から外に出る時点から大変でしんどい分、結局疲れて終わるみたいなことが起きているんですよね。

だから、ふたごハウスでは、この場でお昼ごはんも食べられてというのは大きいと思います。

吉田さん:開いている時間が長い、手伝ってもらえる協力体制がある、沐浴ができる、お昼ごはんを食べさせられる、子どもが泣いてもあやさなければと気持ちが焦らず大丈夫と思える…あと、双子のママさんと情報共有できることもほかではなかなかできないことだと思います。

つどいの広場に行っても、子どもたちがめっちゃ動き回るから追いかけるのに必死で、ほかのママとしゃべる時間があまりないんですよね。

ふたごハウスでは、スタッフさんはもちろん、双子のママ同士、お互いに状況を理解し合えるので、自然と子どもたちを見合うことができていて、ほかのママと話す時間も持てるんですよね。

― 「子どもが泣いてもあやさなければと気持ちが焦らず大丈夫と思える」とは?

吉田さん:最初のほうは泣かれることを気にしていたものの、自分1人で2人を同時にあやせるわけがなく、「泣いたらあやす」を繰り返していたら、それだけで何もできずに1日が終わってしまうので。子どもが泣くことに対して慣れてきているところがあるんですよね。

たとえば、「子どもが泣いていても、今は家事をしているから、これが一段落するまではそのままにしておく」など、自分の中でルールを決めているんですけど。それを1人子育てのママにしゃべったら、「え?」「それで大丈夫?」みたいな反応をされたので。その時、子どもが泣いている状態に対する感覚が、1人子育てのママとは違うんやなと思いました。それをわかった上で、外では振る舞わないといけないから。

まわりから見ると、「この親はちゃんと子どもを見てるの?」と不審がられるので。

鈴木さん:わかります。つどいの広場などでは泣いていたら、「すみません、すみません」と泣き止ませなきゃいけないと気持ちが焦りますね。

― その1場面だけを見て判断されてしまうことがありますよね。吉田さんが挙げてくださった「協力体制」とは、どんなところで感じますか?

吉田さん:スタッフさんが一緒に、離乳食を食べさせたり、ミルクを飲ませたりしてくれるんですよね。洗い物が出たら、洗わせてもらったり洗ってもらったり。それによって、子どもたちだけではなく、自分もごはんを食べる時間ができるんです。

あと、到着した時に子どもたちがベビーカーで寝ていたら、ベビーカーをそのまま上まで持ち上げて運んでくださるなどもしてくれます。つどいの広場でも手伝ってくださるところはあるんですけど、基本は「自分で自分の子どものことは見てね」という場所ですし、双子だからと言って手伝うと不公平感を生むから仕方ないとも思うんですけど。

田中さん:ふたごハウスが少なくとも、市内で3箇所ほど増えたらいいなと思いますね。増やしてほしい! つどいの広場はあくまで子どもの遊び場だと感じていて、ママが休めるところではないんですよね。

ふたごハウスでは、ママに対するケアもあります。ここで仮眠ができるようにしたいというお話もあるから、それはもう夢のような出来事で。睡眠は大事で、寝不足が続くと追い詰められていくんですよね。

もっと言えば、ふたごハウスのようなコミュニティに、妊娠中からつながっているといいんだろうなと思います。双子の育児で必要なものがわからなくて、1人子育てのママに聞いてもやっぱり必要なものが違うんですよね。

たとえば、「沐浴はビニール製で十分やで」と教わっても、2人を入れると破れてしまい、結局プラスティック製を買いなおすことに…双子の子育て中のママからお話をうかがえる機会があったらよかったなぁと思いました。

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双子ママ座談会「双子の子育て、ざっくばらんにお話しください!」
 vol.1 通院&健診・移動編
 vol.2 沐浴・授乳・保育園見学・子育て情報編
 vol.3 「つどいの広場」と「ふたごハウス」編
 vol.4 助かる支援&サービス編

双子ママ座談会 番外編「双子の子育て、詳しく教えてください!」
 vol.1 吉田(仮名)さんの場合
    (0歳7カ月の双子のママ)
 vol.2 鈴木(仮名)さんの場合
    (1歳0か月の双子のママ)
 vol.3 田中(仮名)さんの場合
    (1歳4か月の双子のママ)
 vol.4 佐藤(仮名)さんの場合
    (4歳5か月の双子のママ)

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大人の声が聞きたいときに。音声でいつでも楽しく雑談できるバーチャル空間「oVice」でそばで話しているような感覚になれる双子の広場に参加する。

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