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双子ママ座談会「双子の子育て、ざっくばらんにお話しください!」 vol.1

多胎家庭が本当に必要とする支援とは何なのかを考えるために、「ふたごハウス」に訪れる尼崎市内在住の双子のママ4人にご協力いただいて、座談会&個別インタビューを行いました。子どもとの日々は「楽しい!」「嬉しい!」もあるけれど、そればかりではないのが現実。双子育児の日々で、どんな大変さや困難さがあるのかについて、ざっくばらんにお話しいただきました。

多胎家庭のママパパにとっては「そうそう!」「あるある!」と共感したり、多胎プレママパパにとっては出産後をイメージしたり、多胎育児未経験者にとっては「1人子育てとはこんなに違うの!」と改めて気づいたり考えたり。経験してみないとわからない、多胎家庭のママのそれぞれの状況が、ほんの一部見えてきます。

第1回目は「通院&健診・移動」編です。

<参加者>
吉田(仮名)さん 0歳7カ月の双子のママ
鈴木(仮名)さん 1歳0カ月の双子のママ
田中(仮名)さん 1歳4カ月の双子のママ
佐藤(仮名)さん 4歳5カ月の双子のママ

※座談会は2023年11月、個別インタビューは2024年1月に実施。座談会&個別インタビューの内容を再編集して記事にしています。

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出産後まもなく直面! 通院&健診という外出問題

- 双子の子育てで大変さや困難さを感じたことは、どんなことですか?

田中さん:出産後まもなく、子どもが熱を出したことがありました。生まれたばかりの赤ちゃんなので、近所の病院ではなく、出産した病院に連れていかなければならず。その病院は徒歩では行けない場所にあるので、車の運転ができる夫が不在の中、タクシーか電車に乗っていくしかありませんでした。

でも、首が座っていない赤ちゃん2人を自分1人で抱えてタクシーに乗れるわけもなく…双子を連れて電車に乗った経験もなかったので不安しかありません。車いすのまま乗れる福祉タクシーなら、双子ベビーカーに子どもを乗せたまま、乗車できるんじゃないかと連絡したら、対応していないと断られました。

- 新生児1人だったら抱っこしてタクシーで行けますが、2人となると移動手段が限られてしまいますね。その時は、どうされたんですか?

田中さん:家族が帰ってくるまで待って、夜に救急センターに行きました。これとは別で、1人が発熱して入院することになったこともあります。その時は、発熱していないもう1人を家において、付き添い入院をしてほしいと言われました。まだ授乳の必要がある子を家族に任せて1週間も入院するなんて想像できず。

一緒に入院させてもらえないかと相談したものの、無理で。私が付き添い入院をしている間、もう1人の子を夫と実母、実妹が交代で仕事を休みながら見てもらい、なんとかしのぎました。

- 授乳の必要のある子を家において、1週間もの付き添い入院は気が気でないですね。

田中さん:そうなんです。病院のことで言うと、もう1つ。健診がもう大変です。子どもが小さい時は、自分1人で双子を連れて外に出ること自体に不安があったので、母や夫、あと保健師さんについて来てもらっていました。

外出前の準備段階から、健診先で子ども2人が「大泣きしたら?」「ミルクは?」「オムツは?」といろんなことを想像すると、あまりにもしんどすぎて、正直行きたくないんです。

以前、病院の待ち時間に大泣きされて、授乳しなきゃとなっても自分1人では2人同時に飲ませることなんてできませんから、大変でした・・・

- 1対1なら対応できることも、2人に対してとなると難しいですよね。

吉田さん:健診については訪問型があったらいいなと思います。

鈴木さん:予防接種をするのだから、その時に健診もあわせてしてくれたらいいのにとも。健診といえば1回、雨でタクシーを使わざるを得なかったことを思い出します。夫も一緒だったのですが、雨の中、それぞれ1人ずつ抱っこして、ベビーカーと、健診の待ち時間も考えての荷物を持って歩きで・・・とはならなくて。

ただ、タクシーに乗るにも、双子ベビーカーは通常のベビーカーと比べて大きいので、折り畳んでもトランクに収納できないんですよね。だから、ワゴン車タイプのタクシーに来てもらうしかないんです。

- タクシーに乗るにも、双子ベビーカーを折り畳んで載せることを考えると、車種が限定されてしまうんですね。

吉田さん:健診場所にたどり着くまでからが大変なんですよね。私が出産した病院は、電車の最寄り駅からも離れた場所にあるので、バスで行くしかないんですけど。新生児の双子を連れて、自分1人でバスなんて無理なんです。それに、診察や注射時は1人ずつ抱っこをしないといけないので、もう1人を抱っこしてくれる大人が必要で。

だから、片道2時間ほどかけて母に来てもらったり、2023年7月から始まった産前産後ヘルパー(※)を利用したりしてなんとかしてきました。

鈴木さん:やっとの思いで病院に着いてからも、待ち時間が結構かかるんですよね。1カ月健診の時、時間を予約して行ったのに、3時間もかかりました。ちょうど同じ時期に出産した人たちが多くて、混んでいたんでしょうね。

待つ間に持って行っていたミルクを飲ませて、これで家に帰るまで持ってほしいなぁと願っていたら、想定より長い時間がかかってしまったので、授乳のタイミングが来て、ぐずり出してしまったんです。健診が終わるなり急いで帰って、ミルクを飲ませました。

吉田さん:予防接種の場合は、予診票に記入するのも一苦労。

鈴木さん:毎回、住所を書かないといけないですしね。しかも、それを2人分。家で記入してから持って行くんですけど。

田中さん:私も書いてから持って行っていました。

吉田さん:1回で数種類の予防接種時は、予診票に記入するだけで30分以上はかかります。その時ばかりは「自分の家の住所、なんでこんなに長いねん!」と思いました(笑)。アプリで入力できたらスムーズなのになって。名前や連絡先などはそんなに変更するものでもないので、アプリで登録しておいて、そのデータを活用できたら便利ですよね。

※尼崎市 産前産後ヘルパー派遣事業
市内在住の妊娠中や1歳未満の子どもがいる家庭の家事や育児をサポートする制度。尼崎市と契約した事業所からヘルパーを派遣する。詳細は市ホームページ参照。
https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kosodate-kyoiku/kosodate/syussan/1033728.html

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ママ自身の体調不良。気合で頑張るしかない現状も

佐藤さん:自分が発熱した時も、困ります。熱が高くてつらいから、病院に行きたいんだけど、そんな状態で子ども2人を抱えて行けるわけもなく。夫の姉が近隣市に住んでいたから、連絡したら駆けつけてくれて、子どもたちを見てもらえたので、病院に行くことができたけれど・・・

吉田さん:私も自分が発熱した時は困りました。子どもを家において行くわけにもいかないし、連れて行くのも大変だから行けない。夫や母に連絡するかと言うと・・・38度以上の熱は出ているけど、子どもの世話ができないほどかと言われたら、そうではない気がして。

産前産後ヘルパーは1週間前までに予約をしなければならないので利用できませんし、ベビーシッターは調べたら1人1時間2000~2500円ほど、2人になるとその2倍! 2時間で1万円・・・病院の待ち時間を考えたら、その時間内に帰って来られそうにないから、家で我慢しといたほうがいいよなって。

もう、ギリギリまで耐えて、命が危険だと思ったら、救急車を呼ぼうくらいまで思い詰めていました。結局、家でぐったりしながら2人を見て、夫が帰ってくるのは夜間で病院が閉まった後だから、自分1人で病院に行けるタイミングもなく。1週間ぐらい、ずっと熱が下がらなかったけれど、何とか耐えて頑張ったことがあります。

- 自分の病気は後回しになってしまいますよね。日々、子育ては続いていくから。「自分が頑張れば!」と無理をしてしまいがちです。

鈴木さん:出産後は自分の体力がすごくなくなっている感じがありました。妊娠中、ほかの双子のママのSNSを見て、管理入院している人が結構いたので、おなかの張りに敏感になってしまったんです。それで、あまり外を出歩かず、家で過ごすようにしていたら、その間に体力が落ちたのだと思います。

自分では体力が落ちたとは気づかないので、出産前と同じように動けると思って、動いてしまうんですよね。でも、少し動いただけでも疲れてしまう。2人を育てるのには体力が必要なのにないものだから、すぐに疲れて体調を崩して…この1年のうちに3度ほど寝込んでしまいました。

- 「体調を崩して寝込まれた」とは、どのような状態になられたのですか?

鈴木さん:過呼吸になったんです。発熱して、熱が出たから震えているんだと思ったら、震えが止まらなくなって。その時は夫がいたので寝かせてもらっていたんですけど。手足にしびれが出てきて動かなくなって、ろれつが回らなくなってきて・・・もう、恐くて恐くて。病院に行ったら、過呼吸と診断されました。

- その出来事の前に、何か無理をされたんでしょうか? 

鈴木さん:自分では無理をしていたかどうかはわかんないんですけど。熱が出たので、疲れていたのかなと思います。私は疲労やストレスなどが身体の症状として出るタイプで、妊娠中もじんましんが出るなどしていました。夫にも「ちゃんと身体を休めなよ」と言われるんですけど、日々やることはいっぱいあるからやってしまう。

でも、過呼吸になってからは、子どもと自分の体調を優先することを考え、無理をしないように気をつけています。1人で抱え込まなくてもいい、夫も一緒にしてくれますから。それからは過呼吸までには至らず、熱を出すくらいですね。

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双子ベビーカーではハードルが高い、バス移動

- 双子を連れての移動、出産前から大変なイメージはありましたか?

田中さん:まったくなかったんです。出産するまで赤ちゃんと関わったこともなかったので、出産後の想像がつかないまま。出産後しばらくは出かけるも何も、日々のことで精一杯でそんな余裕すらなく。初めて出かけたのは家の近所にお散歩だったでしょうか。その時も家族について来てもらって、徐々に段階を踏んで慣れていったという感じですね。今でも、初めての場所に行くのは不安しかないです。

- ふたごハウスにはバスで来られているとのこと。初めて、バス移動をされたのはいつだったのですか?

田中さん:ふたごハウスに行きたかったから、初めてバスに乗りました。私は車を運転できないので、自分1人での移動手段となると、徒歩かバス、電車になるんです。ふたごハウスにはバスでしかいけない距離だったので、ひとまず行きだけ乗ってみよう、帰りは夫に迎えに来てもらおう、と。

チャレンジしてみようと思えたのは、ふたごハウス近隣に以前、祖母が暮らしていたので土地勘がありましたし、今も親戚が暮らしているので何かあったらそこに行けばいいという安心感があったからだと思います。以降は、夫がいる日は車で、平日はバスで行きます。

鈴木さん:双子を連れて、バスに乗ったことがまだないんですよね。双子ベビーカーを乗せるから、車いすも乗れるバス車両じゃないと難しいですよね。車いすも乗れる車両がいつ来るのか、確認しているんですか?

田中さん:乗る前に、バス会社に「何時と何時に乗るのでよろしくお願いします」と電話しています。すると、運転手さんのほうで把握してくれていて、置いて行かれたり無視されたりすることはありませんでした。

- いつ乗るかを、バス会社に電話しているんですね。どうして、バス会社に連絡しておこうと思ったんですか?

田中さん:妊娠中に、双子ベビーカーでバスに乗車しようとしたら拒否されたというニュースを見聞きしたんですよ。それなら、電話で先に伝えておいたほうがいいのかなって。

吉田さん:バスには1回だけ乗ったことがあるんですけど。最寄りが始発駅だから行きはいいんですよ。帰りは車いすスペースに人が座ったり立ったりしていると、そこをあけてもらって席を折り畳んでもらって・・・となるので、申し訳なくて。もう無理と諦めてしまいます。結局、1時間かけて歩いて帰りました。

田中さん:肩身が狭いですよね。その座席には「車いす優先席」と書かれているのを見たんで…

鈴木さん:「車いす優先」と書かれてしまうと、「ベビーカーは違うよ」というメッセージにも見えますよね。

田中さん:頑張ったら、車いすとベビーカーの2台を乗せられるスペースはあると思うんですよ。

吉田さん:でも、なんか厳しいなぁ、難しいなぁと思ってしまうんですよね。

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双子ママ座談会「双子の子育て、ざっくばらんにお話しください!」
 vol.1 通院&健診・移動編
 vol.2 沐浴・授乳・保育園見学・子育て情報編
 vol.3 「つどいの広場」と「ふたごハウス」編
 vol.4 助かる支援&サービス編

双子ママ座談会 番外編「双子の子育て、詳しく教えてください!」
 vol.1 吉田(仮名)さんの場合
    (0歳7カ月の双子のママ)
 vol.2 鈴木(仮名)さんの場合
    (1歳0か月の双子のママ)
 vol.3 田中(仮名)さんの場合
    (1歳4か月の双子のママ)
 vol.4 佐藤(仮名)さんの場合
    (4歳5か月の双子のママ)

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