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私にとって初めての妊娠が三つ子でした。週に一度の健診は、 お腹の子どもたちが生きているかを検査しに行くような感覚でしたね。病院へ行くたび、先生から多胎妊娠のリスクの話があったり、通常の妊娠とは異なるということを繰り返し伝えられたりしました。なので、先生と向き合って話をすることは精神的に辛いことで、気持ちがとても沈みました。
だけど仕事をしていると、忙しかったり、怒られたり、トラブルがあったりするので、その時だけは妊娠のことが頭の隅っこに置けるんです。病院と家を行き来するだけで、ずっとお腹の子どもたちのことを考え続ける生活だと、もっと気分が沈んでいたと思うので仕事をしていて良かったです。
妊娠中だった当時は、まだテレワークも浸透していなかったので、毎日出社していました。電車通勤だったのですが、その時に辛かったのがなかなか座れないこと。マタニティマークをつけていても、あまり席を譲ってもらえませんでした。お腹はどんどん大きくなり、つわりもひどくなったので、ぜえぜえ言いながら通勤していましたね。このままでは大変すぎると思ったので、通勤する時は、混む路線の電車に乗ることをやめるようにしました。時間がかかってもいいから、空いていそうな路線に切り替えて、少しでも座れるように工夫していました。
会社に三つ子の妊娠を伝えた時はかなり驚かれました。「ここにいる1人の体の中に4つも心臓があるなんて信じられない。」「大変そうだけど、何が大変かよくわからない。」といった反応でした。しかし、業務面では、妊娠を伝えてからも特別に気を遣ってもらうことはなく、普段通りに続けていました。私自身、いつも通りに仕事をすることを望んでいたので、会社もその思いを尊重してくれていたと思います。
妊娠6ヶ月(23週)の時、突然のドクターストップを受けました。次の日から入院することになり、会社に引き継ぎをする間もありませんでした。少し覚悟はしていましたが、切迫ではないし、これまでの経過も悪くなかったので、少し納得のいかない気持ちもありましたね。あと1週間は大丈夫だろうと想定していたので、その段取りで仕事の引き継ぎ準備をしていました。
しかし、病院の判断としては、いつ何があっても子どもの命を確実に助けられるように、今のタイミングで入院してほしいということでした。というのも、私が通っていたのは子ども病院で、そこでは子どもの命を助けることを最優先するという方針が取られていたからです。また、私は小柄な体型な上、お腹の子どもたちは一卵性の三つ子という状況も考慮すると、早めに入院して安静にしておくことは、命を助けるための方法として正しかったんだろうなと思います。