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妊娠中にはまだ仕事をしていました。でも、思っていたよりも早いペースでお腹が大きくなり出勤することがかなりしんどくなったので、妊娠3カ月頃に退職しました。出産後も働きたい気持ちはありましたが、三つ子育児と仕事の両立はハードルが高く、しばらくは育児に専念していました。「私はもう働けないのかな…」と弱気になったこともありましたが、三つ子が小学校2年生になった頃に、良いご縁があり仕事を再開しました。
再就職の面接は、三つ子と一緒に行きました。育児に理解のある職場で、事前に「連れてきて大丈夫ですよ」と言っていただいたので、思い切って連れて行ったんです。それが結果的にとても良かったんです。
職場の方に育児と仕事の両立について、理解していただくきっかけになりました。また、子どもたちにとっては「お母さんは、あそこであの人たちとこんなお仕事をしているんだ」というイメージができるようになり、母が仕事をすることに理解を示してくれました。
7年ぶりの仕事で緊張もしましたが、育児の中には出会う機会のなかった方々とやり取りをする日々に、楽しさも感じました。また、ニュースなどにアンテナを張るようになり視野が広がりましたね。そして、仕事を通して「わずかながら自分のやっていることが、これから先の誰かの生活に結びついているかもしれない」と思えて、気持ちが開けたようにも感じました。
育児と仕事のバランスをとることに難しさを感じたこともありました。食事を作っている時に仕事の連絡がきて、子どもたちを待たせて対応しなければならないこともありましたね。
なので、あらかじめ忙しいことが分かっている時は、無理をして家事などをやろうとせず、前もって家族に伝えるようにしていました。「お母さん、この日は忙しいからごはんを作れない」と宣言し、各自で食事を用意するようにしてもらっていました。
たまにしかないことなので、子どもたちは楽しんで自分の食事を選んでいましたね。無理をせず家族に伝えるようにしてからは、子どもたちも母の状況を理解してくれるようになり、手伝ってくれるようにもなりましたね。
世の中のお母さん方はみんなすごく頑張っていますよね。私は「お母さんも少し手伝って欲しい時もあるんだよ」ということを子どもに伝えていくことは、決して悪いことではないと思っています。お互いが協力していけたら良いですよね。
仕事にはやりがいを感じていましたが、三つ子が中学生になるタイミングで退職しました。
今は、子どもたちが学校に行っている間だけ、在宅で無理なく仕事をしています。
ワークスタイルを変えた理由は、新しい環境になり三つ子が不安定になることも想定して、全面的な受け入れ態勢を作っておきたいと思ったから。小学校に3人いっぺんに入学した時に、それぞれのケアがとても大変でした。なので、寄り添える環境を作っておきたかったんです。
何かSOSがある時、小さい頃は泣くなどのわかりやすい感情表現があったので気づくことができましたが、今はそれが難しいと感じます。自分の部屋に閉じこもったり、表情からも感情を読み取りづらくなったりしているので、何を考えているのか分からないことも増えてきました。
子どもたちが話してくれる時に、ちゃんと向き合える余裕がないともう話してくれなくなってしまいます。だからこそ、子どもが何かを伝えてくれた時のために、聞く体制を作っておくことはとても大切だと思っています。