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【多胎育児をしながら「働く」 vol.7】仕事から離れるほど、戻ることが難しい(前編)

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■今回の記事は…

多胎育児と仕事のバランスってどうすればいいんだろう。職場での多胎育児への理解ってどうすれば広がるだろう。そんな働く多胎ママパパの悩みや、そこから生まれた工夫など、「仕事」と「育児」をテーマに多胎家庭にインタビューするこのシリーズ。

今回は20229月から12月末までの4ヶ月間、つなげるの就労体験に参加された大阪府在住のママにお話を伺いました。ご家族は、夫、長女(小学1年生・女の子)、ふたご(4歳・男の子)、ママさんの5人。ママさんは、ふたごの妊娠を機に仕事を退職。そこには退職せざるを得ない状況がありました。前編・後編にわけてお届けしていきます。

制度変更で時短勤務ができない状況に

双子を妊娠したのは長女の出産後、育休を取っていた時でした。仕事と子育てを両立していた職場の先輩ママに憧れていたので、育休後は時短勤務で復職するつもりでしたが、会社の制度変更で時短勤務がなくなることに。しかし、これから先まだ小さい3人の子どもたちを育てていくことを考えると、フルタイムで働き続けることには限界を感じました。

そこで先輩に退職について相談してみると「しんどくても、復職してから転職したほうが絶対いいよ。一度無職になってしまうと、転職するのが大変だし、給料も大きく下がってしまうかもよ。」とアドバイスをいただきました。

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悩んだ末、仕事を辞めるという決断に

時短勤務の制度がなくなったのは、長女を幼稚園か保育園のどちらに入れるか迷っている時でした。もし時短勤務で働ければ幼稚園の送り迎えに行けますが、フルタイムだとお迎えの時間には間に合いません。また、保育園の場合、そもそも3人を同じ園に入れることは難しく、別々の園に預けることになるかもしれない状況でした。

しかし、我が家では主人の仕事の都合や両親が遠方に住んでいるということもあり、私しか送迎には行けません。そうなると、フルタイムで働きながら1人で何箇所も回ることはとても大変ですし、仕事で夜が遅くなった時には子どもたちに負担をかけることになるとも考えました。なので結局、保育園に入れることは諦め、仕事をやめる選択肢を取らざるを得ませんでした。

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育児と両立するための「働く条件」

双子が2歳になり、幼稚園に入る前年からは仕事の再開を考えるようになりました。その頃から、経済的な理由だけでなく、社会とつながりを持ちたいという思いも生まれるようになり、別の仕事を探し始めました。

どんな条件なら働けるのかを考えると、一番大事なのは幼稚園の時間内で働けることではないかと思いました。幼稚園の時間をすぎてしまうと、その時間はすでに迎えに行けるバスがありません。家と幼稚園にはかなり距離があり、迎えに行くのはさすがに大変なので時短勤務で働けることを最優先にしました。

また、2つ目の条件として考えたのは、土日が休みであること。主人は土曜日も仕事があり、幼稚園も空いていないので、土日に家にいられることが必須でした。他にも、幼稚園からお迎えの電話が来た時、柔軟に対応できるところがいいな、などと考えていました。

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再就職をする難しさを痛感

再就職に向けて活動する中で、地域のママさん向けの就職相談会に行くことがありました。しかし、私の個性や条件に合う仕事はなかなか見つけられませんでした。紹介されるのは介護や検品の仕事が大半。介護職のように人と話せる仕事は好きでしたが、子どもが熱を出して休んだ時、周りに迷惑をかけることが心配だったので断念しました。

また、働ける時間が少ないことも大きなネックに。面接では企業の方から「是非来てください」と言われても、後から電話で「改めて働く時間を計算すると、規定に足りないのでごめんなさい」と断られてしまうこともありました。

会社を辞めるときに「次の就職先を探すのが大変そうだな」と想像していた通り、仕事から離れれば離れるほど、もう一度働くことが難しいなと実感しました。これまでのキャリアが0になってしまうし、ブランクがハンデになって、自分が希望する仕事になかなか就くことができませんでした。

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■編集部からひとこと

【多胎育児をしながら「働く」】のシリーズでは、産休後、職場に復帰したママのエピソードを多く取り上げてきましたが、今回は退職する選択をとったママさんにお話を伺いました。それぞれの家庭環境や職場の環境によっては、同じように退職せざるを得ない状況だった方もいらっしゃるのではないでしょうか。後編では、再就職に向けて、就労体験を始めたきっかけやそこで感じたことなどについてお話を伺いました。

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