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【多胎育児をしながら「働く」 vol.3】仕事を通じた自分らしさの表現(後編)

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■今回の記事は…

多胎育児と仕事のバランスってどうすればいいんだろう。職場での多胎育児への理解ってどうすれば広がるだろう。そんな働く多胎ママパパの悩みや、そこから生まれた工夫など、「仕事」と「育児」をテーマに多胎家庭にインタビューしました。さまざまな家庭の経験は、こんなママパパになりたい!という理想や、こんな風に働きたい!という想いを実現させるヒントになるかもしれません。前編に引き続き、東京都在住、フリーランスで働くママにインタビュー。女の子のふたご(5歳)とパパの4人家族です。後編では、ママの転機になったピアサポーター(以下、ピアサポ)での活動、その後の職業選択や仕事と育児の両立の仕方についてお聞きしました。

社会とつながる一歩を踏み出す

双子が幼稚園に通う前の2歳頃、社会とのつながりを持ちたいという思いから、つなげるのピアサポの活動に参加。その中で私は、オンラインイベントのファシリテーターとして、司会進行やインタビューをする機会をいただきました。ファシリテーターをしていると、人の話を聞いたり、人の気持ちを感じたり、自分の声を届けることができて、アナウンサーの時のような感覚を思い出しました。同時に、声を使った表現が好きだということを再認識しました。

しかし、本格的に仕事を再開するのはまだまだ難しい状況でした。双子が3歳11ヶ月をむかえて幼稚園に通うようになったのですが、コロナ禍の影響で幼稚園が午前で終わってしまうこともしばしば。思っていたほど仕事の時間は取れないし、子どもたちも体調を壊しやすく、いつお迎えコールが来るかわからない状態でした。なので、外に働きに行くことは現実的ではなく、イメージできませんでした。社会とつながりを持つ一歩を踏み出すことはできたけれど、まだ本腰を入れて仕事を始めることはできない。そんな状態でした。

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「私がやりたいことはこれだ!」

その後、いろいろと仕事の幅も広げつつクラウドソーシングのサイト上で仕事を探していたのですが、やっぱりナレーションなどの声に関する仕事が気になってしまって...。声の仕事は自宅ではできないだろうなと諦めていたのですが、よく調べてみると、自宅でナレーションの仕事ができることを知りました。

そのことを知ったのとちょうど同じくらいのタイミングで、ピアサポのナレーションの仕事を任せてもらう機会がありました。これは私にとって大きな転機になりました。初めて自宅での録音に挑戦し、戸惑うこともありましたが、いざやってみると「私がやりたいことはこれだ!」って初めてパシっとはまる感覚がありました。やっぱり声を使った仕事がやりたい。そう確信しました。

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育児もしながらやりたいことを仕事に

今は自宅録音のことをたくさん勉強して、クラウドソーシングサイトなどで仕事を受注しながら、主に在宅でナレーションの仕事をしています。お迎えコールが突然来てもすぐに行くことができるし、子育てに合わせて柔軟にスケジュールを組めるので、この仕事スタイルを選んで良かったと思っています。

少し話は遡るのですが、私がアナウンサーになりたいと思ったきっかけは、小学生の時の音読が大好きだったから。アナウンサーになって、色々な経験をさせていただいた中でも、ナレーションなどの文字を読むことが一番好きでした。

だからもう一度、自分の納得できるやり方で、声を使って文章を読む仕事ができるようになってとても嬉しかったです。あの頃のようにワクワクできる、懐かしいところに帰ってきたような感覚になります。

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大切なのは違和感を見過ごさないこと

満足できる仕事スタイルにたどり着くことができたのは、違和感を覚えたときに見過ごさず、悩みに向き合って、自分の大事にしたいものを考えて選択をしてきたからかなと思います。無理をしてもいいことはなくて、自分の気持ちを大事にした方が上手くいくことが多かったです。

そう考えられるようになったのは、今まで何度も自分の気持ちとは裏腹な選択をして、後悔してきた経験があったからです。何かを決断するときに、自分の気持ちと向き合うことがしんどいこともある。でも、そのままにしておくと、後でもっとしんどい思いをする。

だからモヤモヤした時には、ノートに感情をバーっと書いて整理をして、自分の気持ちの落とし所を見つけるようにしています。その繰り返しで、今は自分の納得のいく育児と仕事のバランスに近づけていますね。

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ひとりの人間としての私らしさ

私は双子を産んでから、自分の全てがお母さんになることにすごく違和感を抱いていました。ずっと双子と一緒で、自分の時間を全く持つことができずに、私の軸がグラグラしてしまっていたんです。名前を持って生きているひとりの人間として、「私は私なんだ」って感じられる瞬間が欲しかったんです。

双子が幼稚園に通い、声の仕事をするようになってからは、私らしさを取り戻すことができました。それに、そのほうが上手く家庭が回るようにもなりました。自分の意志でやりたいことを選択できて、バランスが取れるようになったんだと思います。

そうすると「双子のお母さんだ」ということも自然に自分のアイデンティティとして受け入れられるようになりました。あの時の違和感を見過ごさなかったからこそ、今の幸せな景色にたどり着けたんだなって思います。

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■編集部からひとこと

仕事をすることは、その人にとっての「自分らしさ」の表現につながっているというお話が印象的でした。新しいことに挑戦しながらたくさん悩んだからこそ、彼女らしい選択ができたんだろうなと思います。お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

誰にも否定されず本音が話せる場所!lineオープンチャットで気軽にやり取りできる双子の部屋に参加する。
大人の声が聞きたいときに。音声でいつでも楽しく雑談できるバーチャル空間「oVice」でそばで話しているような感覚になれる双子の広場に参加する。

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