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【多胎育児をしながら「働く」 vol.2】仕事と育児、大変さの中で乗り切る工夫を(後編)

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■今回の記事は…
多胎育児と仕事のバランスってどうすればいいんだろう。職場での多胎育児への理解ってどうすれば広がるだろう。そんな働く多胎ママパパの悩みや工夫など、「働く」と「多胎育児」をテーマに多胎家庭にインタビューしました。さまざまな家庭の経験は、ママパパとしてなりたい姿、自身のキャリアの中でありたい姿、そんなママパパの思いを実現するヒントになるかも。今回は大阪在住、フルタイムで働くママのお話。男女のふたご(小学校1年生)とパパ、実母(以降、母)の5人家族です。後編では、本格的に仕事に復帰したママさんの働き方の工夫や悩み、そして今の仕事や子育てに対する思いについてお聞きしました。

残業を作らない、仕事の手戻りを防ぐ工夫

子どもが生まれる前は残業や休日出勤をすることも多くありましたが、出産後は同じ働き方はできなくなりました。なので残業をしないように仕事を組み立てる工夫をしています。

例えば仕事の中で、意図と違った場合のやり直しが発生すると、残業の元になるため、あらかた出来た段階で目視で確認してもらうことや、相手の意向を正確に汲み取ることを以前よりも意識するようになりました。他にも取引先とやりとりをする中で、あえて書類のやりとりの工程を増やすなど、業務フローの改善を私なりに取り入れています。その時の手間は増えてしまうけれど、仕事の手戻りを防ぐためには有効だと思い、実践しています。

基本的に残業はしないようにしていますが、担当している業務が海外関係という事情もあり、どうしても時差の関係で就業時間内では対応できないこともあります。その場合は一旦家に持ち帰ってメールで連絡を取るなど、できる範囲で与えられた仕事を全うできるよう、日々努めています。

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助けられた!育児サポートの活用

私は産後すぐに職場復帰することが決まっており、忙しくなることはわかっていたので、早くからお手伝いなどの外部のサポートを入れるようにしていました。育休が明けてからの2か月間は自宅保育、生後7か月からは保育所に入所しました。

その中で利用していたのが、ファミリーサポートやシルバー人材センターのサービスです。お金はかかってしまうけれど、大変さを軽減することができ、そのおかげでなんとかやれていました。

シルバーさんやファミサポさんにとって、子どもが2人いるところを、大人1人で対応することはハードルが高く、多胎家庭にきてくれる人を見つけにくいという話も聞きますが、うちの場合は母もいたので、大人2人で子ども2人を見られるならということで、来てもらいやすかったです。

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2年半もの寝不足の悩み...いつまで続く?

子育てと仕事を続ける上で、寝不足が私にとっては一番しんどかったです。うちの子どもは寝ないタイプで、2歳半くらいまで、双子のどちらか一方が絶対夜中に起きていました。子どもも小さいし、仕事も忙しいし、プラス寝不足が重なることが体力的に辛かったです。仕事への復帰が早く、子どもの身体ができていなかったことも影響していたと思います。子どもが成長すると、睡眠時間が細切れからまとまって寝るようになるし、病気に対する免疫も違ってきます。

特に子どもが小さい間は注射や検診などの外出の予定が多くあり、それだけで疲れてしまいます。「注射ぐらい連れて行けばいいやん」って思われるかもしれないですが、双子ちゃんを連れて外出すると大騒動になってしまいます。普段から自分の体調管理もしつつ、キツキツで生活しているから、ちょっとのことが大変でした。

それでも5歳のお誕生日が近づいた時に、ちょっと状況が変わった実感がありました。お世話の大変さから離れたことで、少し楽になりました。それでも小学生になると、勉強や学校のことなど、違う大変さが出てきたので、子どもの成長によって悩みも変わるなと感じています。

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2人同時の大変さ、少しでも理解してもらえたら..

社会には色々な困難さを持ちながら働いている方々が、他にもたくさんいらっしゃるということを、しっかりと理解した上でですが、多胎の親が子育て家庭のマイノリティであることを、1人でも多くの管理職や経営陣に理解してもらい、どうしても困ったときに、会社からヘルプしていただけると嬉しいです。子育てをしている家庭であれば、子どもひとりでも大変だから、双子家庭が大変なこともなんとなくはわかるんだろうけど、具体的に何がどうなるのかはイメージしづらいと思います。

例えば、コロナで幼稚園が閉鎖してしまった時、双子が家にいながら在宅勤務をすることはどうしても無理な状況でした。その状況を会社に説明した時の返答は「それはニュースで言う、子どもがいるから在宅勤務が出来ないことと同じなだけで、『双子だから』って一言つけるのはおかしいよね。」というものでした。

言葉で明確に説明することは難しいけれど、子育ての全てが同じ年の2人が同時になった時、多胎育児特有の大変さがあります。その大変さはなかなかわかってもらえないし、伝わりづらいものだと思いますが、何か特有の大変さがあるんだなってことを少しでも想像してもらえるようになると嬉しいなって思います。

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ワーママに正解はなく、自分に合った選択を

多胎家庭に限らず、子育てをしながら働いていていると、時間の問題や、体力の問題などの制限がかかってしまうことがあります。キャリアに関しても、働き方やポジション、業務内容など色々な選択肢があるなかで、自分にとって何を選んだら良いのか、決めることはすごく難しいです。双子の子育てをしながらどうやって働き続けていくかを考えると、すごくもやもやします。

働きながら、多胎育児をすることは大変だけど、その大変さを軽減する方法があるんじゃないかと私自身は思っていて。例えば頼れるものに頼ることであったり、多胎のコミュニティを上手に利用して話を聞いてもらって発散したり、サポートの情報を得ることであったり。他にはサークルで近くのお友達を作って、楽しみを見つけることもあるかなと思います。

人によって何が合うか違ってくるので、自分に合う働き方やサポート、情報、育児グッズを見つけられたらいいんじゃないかな。自分に合うものを見つけるためにも、プレママの時からコミュニティとつながりを持って、情報を得られる機会があるといいのかなって思います。

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■編集部からひとこと

仕事をしながら子育てをする中で、きっとインタビューの中では語りきれない、大変さがたくさんあったと思います。その時に「じゃあどうすれば乗り越えられるか」といつも前向きに考えてきた姿が印象的でした。お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

誰にも否定されず本音が話せる場所!lineオープンチャットで気軽にやり取りできる双子の部屋に参加する。
大人の声が聞きたいときに。音声でいつでも楽しく雑談できるバーチャル空間「oVice」でそばで話しているような感覚になれる双子の広場に参加する。

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