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42歳で結婚をして、46歳で妊娠・出産をしました。高齢で多胎妊娠ということでかなりハイリスクでしたが、妊娠経過はわりと順調でした。つわりなどはありましたが、自分が妊娠すると思っていなかったので、妊娠中は新鮮な気持ちで過ごせていましたね。
双子妊娠の前に2回流産を経験しているので不安もありましたが、なぜか楽しみな気持ちが強かったです。「本当にお腹が大きくなるんだなあ」とか「別々にお腹を蹴るんだなあ」とか、日々変化していく経過を楽しんでいましたね。育児グッズをリストアップしたり、マタニティウェアを選んだりするのもとても楽しかったです。そして、予定より少し早めの35週5日に帝王切開で出産しました。
出産後、双子はNICUに1カ月ほど入院しました。退院してからは、夫婦2人での育児がスタート。夫が夜勤の日は、ワンオペでの育児でした。1人で育児をしていて1番戸惑ったのは、2人が同時に泣いたとき。「こんなにも自分は何もできないんだ」と不甲斐ない気持ちになりました。
激しく泣いていても、首がまだ座っていない2人の赤ちゃんを同時には抱けないので、1人は泣かせっぱなしになってしまいます。娘が泣きすぎて、赤ちゃんとは思えないようなかすれた声になってしまったこともありました。「こんなに泣かせてしまっている私って…」と自分を責めるような気持ちもなりましたが、仕方がないなとも思っていました。
双子がなかなか寝てくれず自分の睡眠がとれない夜は、赤ちゃんが安心できると言われる音をスマホで流しながら、暗い部屋でただただぼーっとしていたこともありました。思い出すとその頃が精神的に1番辛かったですね。双子がかわいくないとか、産んだ後悔などの気持ちはなかったのですが、ただただ頭が真っ白で何も考えられないような精神状態でした
生後2カ月頃までは家から全然出られず、閉塞感がありました。そこで、思い切って子育て支援センターに電話をして「まだ遊べる月齢ではないのですが、連れて行ってもいいですか?」と聞いてみました。その時に「どうぞどうぞ!」とスタッフさんが快く受け入れてくれて「行ってもいい場所ができたんだ」と思えてとても嬉しかったですね。
あとは、地域の双子サークルにも行きました。月齢が近い双子ちゃんとママとも出会えたので、「みんなも頑張っているんだな」と感じて心の支えになりました。分かり合える人たちとつながれることで、私は救われました。その経験から「そういう場にうまく出会えない人のために、拠り所になれたらいいな」「夜中の辛い時間に話し相手になれたらいいな」と思い、つなげるのピアサポーターになりました。
双子が生まれたことで私自身が変わったことがあります。それは、世の中のすべてが素晴らしいと思うようになったこと。双子がいたからこそ見えるようになったものがたくさんあるんです。例えば、夜通し泣き続けて薄明るくなってきた夜明けの空の美しさとか、保育園に行く途中に見つけただんご虫の小さな命とか。子どもたちのたどたどしい言葉や言い間違いも、今しかないことなんだなと思います。
だから、今の双子たちのすべてを見逃さずにいたい。私は高齢出産だったので体力的には辛い時もありますが、46歳で産んだからこそ、双子との生活をおもしろがれるのかなと思うことがあります。私がこの年齢で出産したのは、意味があったのかなと思いますね。