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双子の成長が思いのほか早くて、私はとても戸惑いました。生後1カ月頃には、背中を使って移動していたんです。想像していた赤ちゃんの姿とは全然違いました。ミルクを飲んですやすや寝て、あまり動かないようなイメージをしていたので、「この時期にどうして移動しているんだろう?」と思いました。
その後、生後7カ月頃には2人ともつかまり立ちをするようになりました。膝を曲げないで立つので後ろに倒れてしまうこともあり、転んでも怪我をしないように家の環境をかなり整えました。
180センチ四方のサークルの中にマットを二重に敷いて、さらにその上に布団を敷きました。当時はその場所だけが私と双子の世界でした。1日中ずっとサークルの中にいて、ミルクを作る時だけ私がサークルの外に出る。そんな生活を続けていたら、私はかなりやつれてしまいました。思い出すとあの頃が1番辛かったですね。
私は元々変化に弱く、変わらない日々の方が安心できたので、双子の成長の速さに心が追いつけませんでした。子どもたちの変化に自分が対応しなければいけないけれど、「なるべく今日と同じ状況で明日を迎えたい」と思っていましたね。
1歳1カ月くらいの頃、これまで過ごしていたサークルを双子がよじ登るようになったので、サークルを外して少しずつ生活スペースを広げていきました。それでも1日中ずっと双子と3人だけでいると、辛くてしんどかったです。
そんな時に1冊の本を読みました。発達療法の本で、色々な子どもへの対応方法が載っていました。本を中に、「ここを取り入れてみよう」と思える、子どもとの向き合い方に関する話をいくつか見つけました。
例えば、最低限の危ないことは止めるけれど、イヤイヤなどのぐずりには淡々と接するようにしたり、子どもが笑っている時には私も笑って寄り添うようにしたり。こういった方法は自分に合っているような気がしたし、子どもの行動にあまり気持ちが振り回されなくなりました。
もし他の人から見て違和感がある方法だとしても、「みんなと同じじゃなくても、私が楽に育児ができる方法ならいいんじゃないかな」と考えるようにしていました。人の目を気にするよりも、自分がしたいようにしていこうと思いましたね。
子どもたちは、命があればそれで充分だと思っています。子どもに望むことや育児の理想などがあると思いますが、そういったことは全部+αくらいに思ってほしいなと。ママに限らず世の中には自分に厳しい人が多いと思います。「辛くても耐える」という強さだけではなく、時に「諦める」ということが違う種類の強さになるのかなと思っています。頑張りすぎる人が多いから、そういう考え方もあるのを知ってもらって、みんなに楽に生きてほしいです。