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命を預かることは、当たり前じゃない(後編)

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■今回の記事は…

多胎育児を応援している方のインタビューをお届けするこのシリーズ。今回は、元日本女子バレーボール代表の大山加奈さんにお話を伺いました。1歳のふたごの女の子のママである大山さん。後編では、お仕事についてのお話や、多胎ママパパへ贈る言葉をいただきました。

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家族も、自分のやりたいことも大事に

妊娠前から「バレーボールをやっている子どもたちを幸せにしたい」という信念のもと、活動してきました。本格的に仕事復帰をしたのは、産後4カ月頃。初めて夫に双子を預けて仕事に行きました。数時間でも子どもたちと離れることは不安でしたが、思い切ってお願いすることにしました。

久々の仕事は、とてもリフレッシュになりました。それまでは、家で授乳とおむつ替えをしていたので、社会からおいていかれているように感じることもあったんです。でも、仕事をしたことで、自分自身を取り戻したような感覚がありました。

育児と仕事の両立に苦労することもあります。
ベビーシッターさんがなかなか見つからず夜中までネットで探したり、留守中の双子の食事メニューに頭を悩ませたり…。

でも、ご近所のみなさんにとても助けてもらっています。愛犬の散歩中に知り合った方などがサポートしてくれているので、何とか仕事を続けられています。こうした「みんなで育てる」という空気がとても大事だし、育児中の方みんながこういう環境であったらいいなと思います。

あと、以前は子どもたちに対して「家をあけて寂しい思いをさせてしまっている」と思うことがありました。そんな気持ちを抱えていた頃、仕事でママさんバレーの解説に行く機会がありました。そこで出会ったママさんたちがとても輝いていたんです。

家族だけでなく、自分のやりたいことも大事にしているママたちの姿がありました。
子どもを抱っこしながらヒーローインタビューに答えているママさんもいて、本当に素敵だなと思いました。“自分のやりたいことも大事にする”というマインドは、そのママさんたちに教えてもらいましたね。

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双子育児をする中で、仕事への考え方にも変化がありました。


今までは子どもたちに向けてアプローチをしてきましたが、子どもが笑顔でいるためには、まずママパパが笑顔でいることが必要だと強く感じるようになりました。なので、これからはママパパを笑顔にできることや、ちょっとでも心を楽にできるような活動もしていきたいです。

心を楽にしてくれた言葉たち

仕事や育児をする中で、大切にしている言葉がいくつもあります。


出産後は特に、人に助けてもらうことがたくさんありました。以前は、その度に申し訳なさを感じていました。でも、ある時に「借りた力も自分の力」という言葉に出会い、その言葉がすとんと腑に落ちました。

助けてもらうことに申し訳なさは感じるけれど、借りた力を自分の力に変えて、これから返していけばいいと思えたんです。この言葉で、人を頼ることのハードルが下がりましたね。

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SNSで読んだ「赤ちゃんを生かしているだけで、えらい」という言葉にも支えられています。産後、ちょっとしたことで、我が子の命がなくなってしまうかもしれないという緊張感が常にありました。「24時間365日、こんなに気を張って頑張っている世の中のママパパは本当にすごい!」そう思った時に「私すごい、2人も生かしてる!」と感じさせてくれた言葉でしたね。

日々頑張っている多胎ママパパへ

みなさん、本当に日々がんばっていらっしゃると思います。どうしても自分のダメなところに目が向いてしまうと思いますが、できているところや頑張っているところにぜひ目を向けてほしいです。そして、自分をたくさん褒めてあげてほしいなと思います。

私は「寝かしつけ疲れた!」と思ったら夜中でもアイスを食べたり、おいしいものを宅配で頼んだりしています。そうやって自分にたくさんご褒美をあげてほしいですね。子どもたちを生かしているだけで本当にすごいことです。私はオリンピックに出場したけれど、育児の方が100倍、1000倍すごいと感じています。365日、命を預かることは本当に当たり前のことではありません。みなさん本当にすごいです!と伝えたいです。

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■編集部からひとこと
人や言葉との出会いをとても大切にされている大山さん。そこから感じたことを、日々の育児やお仕事に生かしている姿が印象的でした。インタビュー中には「最近うちの双子はイヤイヤ期に入ってきたみたい。みなさんはどうでしたか?」と大山さんが投げかけ、多胎ママ同士で話が盛り上がる場面もありました。これからも多胎ママパパとのつながりを大切にしていきたいと話してくれました。
誰にも否定されず本音が話せる場所!lineオープンチャットで気軽にやり取りできる双子の部屋に参加する。
大人の声が聞きたいときに。音声でいつでも楽しく雑談できるバーチャル空間「oVice」でそばで話しているような感覚になれる双子の広場に参加する。

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